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DAGGER 戦場の最前点(ファンタジー)  めるらぶっ!(ラブコメ) 
恋姫†無双(二次創作) 1話  2話  3話  4話  TOPへ 


【前書き】
他国間の交流が少なくはないだろうか?
そんなイメージから、なるべく多く集めてみました
ハブられている子もいるけど、まあ、それはそれでご容赦ください

夜な夜な、不思議な風が城内に舞う。
それは、ご主人様がご自分の太刀で作り出した風。
その風の音を聞きながら、各々はこの一時を存分に味わい、次の戦いへの糧とする。
自分の主の価値を再確認し、心に幸せを宿しながら。

心の中に戦いを描くもの-
鈴々「うー、この音を聞いてると、身体がウズウズするのだーーー」
翠「アタシも、なんかこー、血が疼くよなっ!!」
翠「手合わせでもするか、鈴々」
鈴々「応っ!! 鈴々が相手になってやるのだ」
恋「恋も……やる」
鈴々「にゃ? 恋が相手してくれるの?」
翠「願ってもない話だが…いいのか?」
恋「ご主人様、みんなを守るために強くなるって…言ってた」
恋「だから、恋が一番強くなる」
恋「一番強くなって…ご主人様を…守る」
鈴々「鈴々も負けないのだーっ!!」
翠「アタシだって負けるかってんだ。鈴々、どっちから先にやる?」
恋「二人でいい」
翠「鈴々とアタシの二人を同時に相手にするってのかい?」
恋「……(コクッ)」
恋「それぐらいで…十分」
鈴々「にゃにおーーっ!! 後悔させてやるのだっ!!」
翠「手加減なんか出来ないからなっ!!」

笑顔を浮かべるもの-
愛紗「………」
月「はー」
朱里「ほー」
詠「なんで、みんなしてあんなのに見蕩(みと)れてるのよ」
詠「ねえ、月…部屋に戻ろうよー」
月「詠ちゃんも一緒に見ようよ」
詠「イヤよ、どうしてアタシがあんな変態の修練を見ないといけないのよ」
月「詠ちゃん、そういう言い方は良くないと思う」
詠「あーもー分かったわよ、見ればいいんでしょ!? 見れば」
月「くすっ、詠ちゃん…素直じゃないんだから」
詠「ぼっ、ボクは…別に…」
朱里「でも、普段のご主人様と一緒とは思えませんね」
愛紗「たしかに…あれほどに雄雄しさを宿した瞳をされることは、滅多にない」
愛紗「いつも、あれほどの気迫と気概を見せてくだされば、私も少しは安心できるというのに…」
朱里「でも、それは…ちょっと違うかもしれません」
朱里「きっと、今のご主人様も素敵でしょうけど…それは、ご主人様の一部であるから素敵で…」
朱里「ずっと今のご主人様だったら、私も愛紗さんも息が詰まっちゃうと思いますよ」
愛紗「それは、そうかもしれないな」
愛紗「あの方が笑顔だからこそ、私たちはいつも気兼ねなく動くことができる」
朱里「はいっ! それも、ご主人様の配慮だと思います」

杯を交わすもの-
星「メンマも捨てがたいが…酒の肴として、これ以上などないだろうな」
紫苑「ええ。想い人の情熱的な姿を見ながら飲めるなど、この上ない女の幸せ」
思春「夕餉を済ませたと思えば宴会か。その思考は理解できんな」
星「人の嗜好には口を出さないのも、暗黙の約束事の一つだ」
星「それに、緩急が付けられないものは負ける…それは、武芸でも人生でも同じこと」
星「甘寧殿は、少々固すぎるようだな」
思春「ふんっ…」
紫苑「疲れたときには、ご主人様を癒してさしあげなくてはね」
星「主は、周りの期待に答えるように男振りをあげておられる」
星「この国と同じ…未だ、発展途上の身であり、その行く末が愉しみだ」
紫苑「じゃあ、久しぶりに観てみようかしら」
星「主に向かって持っていない弓矢の構え…主の心でも射止めるおつもりか?」
紫苑「あら、そういうのもいいわね」
紫苑「私のおまじないの一つでね…こうしていると、どれほどに遠いものでも見える気がするのよ」
紫苑「ときに、心のように見えないものまで見える気がするの」
星「ふむ、武人は戦いのときにその力の全てを発揮するというからな」
星「面白い。次の機会には、私も自分の間合いで主に構えてみるとしよう」

春蘭「お前たちにとっては楽しいかもしれないが、こっちは退屈でしょうがない」
春蘭「あの程度の修練の真似事が、いったい何になるというのだ?」
春蘭「我が魏武の剛剣の前では、あのような風切りの音色など、そよ風に等しい」
愛紗「ご主人様の侮辱は許さんぞ、夏候惇」
春蘭「事実を言ったまでだ。あの程度の技量では、戦場では何の役にも立たん」
愛紗「その口を塞がねば、その言葉を撤回するつもりはないようだな」
朱里「青竜偃月刀を収めてください、愛紗さん」
朱里「ご主人様がいらっしゃる場所を玉座と見立てるなら、ここもご主人様の御前です」
朱里「ご主人様の御前では、私たちでも勝手に動くことはできません」
華琳「さすがに、智謀、孔明の字は伊達でないようね。私好みの論破だわ」
星「朱里の言うとおりだ。主の御前を血で汚すわけにもいかぬだろう?」
愛紗「くっ…分かっている」
春蘭「臆したか、関羽」
華琳「春蘭もおやめなさい」
春蘭「しかし、華琳様!!」
華琳「春蘭、少しは秋蘭のように雅を解しなさい」
春蘭「みやび…ですか?」
秋蘭「華琳様、粗忽者の姉者にそのお言葉は、少々酷かと」
春蘭「馬鹿にするな、秋蘭…わたしにだって、それぐらい…」
秋蘭「顔に焦りが出ているぞ、姉者」
春蘭「ええい、馬鹿にするなというのにっ!!」
秋蘭「雅を口で説明など無粋極まりないから、その説明は後に回すが…」
秋蘭「姉者にも分かるように関羽殿たちの胸中を説明してやると…」
秋蘭「北郷殿を汚すことは、我々にとって華琳様を汚されることと同義なのだ」
春蘭「………」
秋蘭「その顔を見ると、分かったようだな」
春蘭「み、認められるか!! 華琳様と北郷のような男を同列に考えよ…などと」
秋蘭「やれやれ、姉者は…」

蓮華「これは、一刀の日課なのか?」
朱里「ええ、ご主人様の毎日の日課です」
月「ご主人様は、日中は政務で忙しいですから、この時間しか…」
蓮華「そうか」
蓮華「政務に忙殺されて尚、自分を高めるために精進し続けるのか」
詠「そんなことぐらい、当然じゃないの」
詠「あの馬鹿は、女の子に手当たり次第にちょっかい出してるんだから…」
詠「あいつは、ボクの月を…ボクの月を〜」
蓮華「だからと言って、一刀は人を踏みにじるような真似はしないのだろう?」
月「……(コクッ)」
朱里「ご主人様は、御優しい方ですから」
小蓮「あったりまえよっ! 一刀は、シャオの旦那様なんだから」
愛紗「まったく、姉妹そろって……捕虜がご主人様の御名を気安く呼ぶなっ!」
蓮華「私は、真名を一刀に名乗り、一刀も私が字を呼ぶことを承諾した」
蓮華「悔しいのであれば、お前たちが一刀を真名で呼べば良いだけのことだろう?」
星「どうも語調が強いと思えば、そういうことか」
紫苑「んふふっ、可愛いわね」
蓮華「な、なんのことだ」
紫苑「その棘の鋭さがご主人様の嫉妬から来ているものなら、それは大きな勘違いよ」
蓮華「勘違い…だと?」
星「そう目くじらを立てるな。呉王であることや捕虜という立場で、主の態度が無下なわけではない」
蓮華「…な、わたしはべつに…」
星「主は、真名を教えないのではない、真名がないのだ」
星「字を教えたのは、そのためだろう」
蓮華「真名が…ない?」
星「天の遣いなのだ。それほどの差異など、驚くべきことでもなかろう」
紫苑「ご主人様は、とても度量の大きな方よ」
紫苑「自分の愛した女をないがしろにするようなことはないわ」
蓮華「…そうか」
華琳「そう…だったのね」
春蘭「華琳様、何か仰いましたか?」
華琳「べつに…これ以上、見ていられないと言ったのよ」
春蘭「?」
華琳「北郷の修練のことよ。もう形が乱れて、反復が無駄な作業になっているじゃないの」
華琳「刃に気迫があるのは認めてあげなくもないけど、あれじゃ、無駄な空回りよ」
秋蘭「気迫と力みは違うが…その境界をどうも理解しきれていないようですね」
華琳「しょうがないわね。この曹孟徳が直々に、剣の握り方から叩き直してあげるわ」
愛紗「なっ!? ご主人様に武の手解きをするのは、私の役目だ」
愛紗「第一、曹操孟徳の獲物は、大鎌ではなかったのか?」
華琳「天才は武具の類を選ばないの。武術に通じ…極めれば、異種の武具の扱いも自然に修得するものでしょう?」
愛紗「武の道は果てしなく長く…そして深い」
愛紗「軽々しく極めたなどと言われても、認められんな」
華琳「なら、私と刃を交えてみる?」
華琳「私が勝ったら、あなたには私の閨に来てもらうわよ」
春蘭「華琳さまぁっ!?」
愛紗「な、何を馬鹿げたことを…」
朱里「ケンカはやめてくださいってばぁー。ご主人様が頑張っていらっしゃるんですからー」
蓮華「………」
星「この混乱に乗じて、どこに行くつもりかな? 孫権殿」
紫苑「んふふっ…ご主人様のところね? ちゃんと顔に書いてあるわよ」
蓮華「…わたしは、完膚なきまでに関羽殿に打ちのめされたのだ」
蓮華「誇りあるものなら、精進を怠ることなどできやしない」
蓮華「よって訓練をしにいく…それだけだ」
小蓮「ぶー、お姉ちゃんってば、いつもそう」
小蓮「もっともらしい理由を自分の中で根暗に考えて、『だから、しょうがないでしょ?』って動くんだもん」
小蓮「そのくせ、抜け駆けとか卑怯なことばっかりするんだもんね」
蓮華「小蓮っ!! それが姉に対しての台詞か!?」
小蓮「だったら、妹の旦那様に手を出さないでよね? じゃないと、泥棒猫だよ?」
蓮華「どっ、どっ…泥棒猫だと!?」
小蓮「だって、シャオは一刀に女にしてもらったんだから…人の物に手を出さないでよね?」
蓮華「そんなことを言ったら、私だって…」
蓮華「………」
紫苑「あらあら、赤くなっちゃって可愛いわ」
紫苑「ご主人様がお抱きになられるのも、無理ないわね」
愛紗「…ふぅ、ご主人様の包容力には、今更ながら頭が痛くなる」
星「観念せい、愛紗よ。あれこそが主ではないか」
愛紗「そう…かもしれんな」
愛紗「誰にでも優しく、誰にでも平等で…誰もを愛し、誰からも愛される」
愛紗「ちょっと悔しくもあるが…それが、天の遣いであり、北郷一刀…我らがご主人様だ」
詠「そんなこと言ってるうちに、ここからじゃよく見えないけど…あいつの横に誰かいるみたいよ」
愛紗「なっ!? あれは…恋か? さっきまでは、鈴々と翠が訓練の相手をしていたはずだが…」
鈴々「はぁっ…はぁっ…」
翠「っくぅ…強いなんてもんじゃないぞ、今日の恋は…」
愛紗「二人揃って、太刀打ちできず…そこでへばっているというわけか」
鈴々「鈴々、まだ負けてないのだっ!!」
翠「アタシだって、まだ終わったわけじゃないっ!!」
星「なら、次に恋から勝利を攫うのもこの私で決まりだな」
愛紗「…と理由をつけて、ご主人様の傍に行くわけではあるまいな?」
星「ほぅ、愛紗の発想ではそのような言葉が出るか」
愛紗「なっ…わ、わわたしは、べつに…」
星「照れずとも良い、ともに主のところへ行こうではないか」
愛紗「照れてなどいないっ!!」

夜な夜な、不思議な風が城内に舞う。
それは、ご主人様がご自分の太刀で作り出した風。

古参のものはそれを誇り、新参のものはそれを受け入れる。
各々がこの一時を存分に味わい、次の戦いへの糧とする。
自分の主の価値を再確認し、心に幸せを宿しながら。

月と星だけが照らす深夜の中庭は、一人だけの舞台。
だけど、喝采を浴びせようと待ち受ける観客であり、頼もしき仲間が周囲を取り巻いている。


【後書き】
なるべくキャラを出して書きたい…ということで、頑張ってみました
まあ、全キャラ出てないのは、ご愛嬌ということで

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